2011年8月16日火曜日

放射能測定結果第二弾


8月6日に福島市内にある『市民放射能測定所』というところで、ぶどうの放射能測定をしてもらいに行ってきました。

ここは「自らが自らを守るための測定を行い、放射線防護の知識を身に付け、各個人が自ら判断するための"道具"を提供する第三者機関」として設立された測定所です。

この『市民放射能測定所』での放射能測定は、前回測定していただいた日立協和エンジニアリング株式会社(ゲルマニウム半導体検出器)とは異なり、測定器も比較的簡易型(ヨウ化ナトリウムシンチレーター)のものです。
また、測定してもらうためには事前に予約をして、測定所から決められた日時に検体をわざわざ持参して行かねばならず、決して 便利とは言えません。

しかし、一般人が自ら測定してもらいたい検体を持って出向き、測定している現場に立ち会い、測定結果が出るまでの過程を観て実体験することができるというのは、おそらく全国的に見ても少ないのではないのでしょうか。

ここでの出来事はわたしにとって忘れられないものとなりましたが、それはまたの機会に書くとして、まずは結果報告です。(ここでも見られます)



ぶどう採取日:2011年8月6日
測定方法:ヨウ化ナトリウム・シンチレーター
測定結果(誤差を含めた最大値):
サニールージュ 73 Bq/kg以下
ふくしずく 62 Bq/kg以下
 (測定結果の値には、放射性核種「カリウム40」の影響が含まれる)
検出限界 20 Bq/kg




前回は「不検出」だったものが、今回は最大で62Bq/kgと73Bq/kgという値が出てしまいました。

その理由として、先に書いた測定方法や測定機器の違いの他に、以下のことが推測できます。

○「カリウム40」の影響

 報告書(文章の最後にあります)の※印にも書かれている通り、この値の中には「セシウム137」の他に「カリウム40」という放射線の影響があるそうです。
つまり、今回の測定で使用されたヨウ化ナトリウムシンチレータードイツ製の「LB200」)という検出器では「セシウム137」と「カリウム40」を区別して測れないのです。

ぶどうには植物にとって必要な養分である「カリウム」が多く含まれています。
その天然の「カリウム」の0.117%が、この放射性をもった「カリウム40」という物質です。 
 核実験や核事故で放出される「セシウム137」とは異なり、「カリウム40」はもともと天然に存在するものなのです。

では、ぶどうに、どのくらいの「カリウム40」の放射能濃度が含まれているのか?
 安斎育郎/著「家族で語る食卓の放射能汚染」によると、ぶどう1kgにあたりの「カリウム40」の放射能(ベクレル:Bq)は39とあります。

今回の測定結果からこの値を引くと、
サニールージュ 73-39= 34 Bq/kg以下
ふくしずく 62-39= 23 Bq/kg以下
となります。

測定前の処理方法

また恐らく、食品の放射能を測定している多くの機関が厚生省の通達(食品の放射性物質に関する検査における試料洗浄標準作業書)どおりにきちんと測定しているとすれば、測定前には必ず次のことを行っているはずです。

1:水道水の流水下で、20秒程度洗浄する。
2:水道水をしみこませたペーパータオルで表面を軽く拭き取る。
3:食用若しくは調理に供する程度まで洗浄が十分におこなわれていることを確認する。

しかし私たちのぶどうは、木から収穫して、洗わなくてもそのまま安心して食べられるよう、除草剤や殺虫剤を使用せず育てました。

ですから、今回はあえて「洗浄なし」で収穫したぶどうをそのまま測定していただきました。


ところで、「結局、この値は危険なのか?」という問いに対する答えですが、はっきり言って「わからない」というのが正直な答えです。

日本の暫定基準値と比べれば「基準値以内」となりますが、諸外国と比べたら安心はできません。

つまり、ただ闇雲に恐れるのではなく、一人一人が正しく放射能について学び、理解し、それを基に判断して行かなければならないのだと思います。

ですが、子供に対する放射性物質の影響など、まだまだわからないことに対しては、大いに警戒するべきだと思います。





報告書の画像はクリックして表示を大きくすると字が読めます。

放射能測定結果報告書その1

放射能測定結果報告書その2


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